■3時10分、決断のとき | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■3:10 to Yuma
Three-Ten to Yuma and Other Stories
決断の3時10分


●コチラ、紛れもなくネイティヴな全編英語の西部劇デス。さて、これは1957年の西部劇で同題名「3:10 to Yuma」(Three-Ten to Yuma and Other Stories…なんて呼ばれているそうな。邦題は「決断の3時10分」(ユマ発3時10分、ってことですか)のリメイク。









「3:10 to Yuma」(1957年作)


オリジナルの方は、西部の荒れ果てた町の住人ダン・エヴァンス役に映画「シェーン」等のヴァン・ヘフリン。強盗団の頭であるベン・ウェイドに昨年亡くなったグレン・フォードが扮した。原作はエルモア・レナード、監督は、デルマー・デイヴィスだった。
今回は、ダンにクリスチャン・ベイル。ベン役にはラッセル・クロウ(ダンにベン、簡単な名デス)。その周囲に老けたなぁ~けど渋くていいゾのピーター・フォンダや「ホステージ」「X-MEN」のベン・フォスター。監督は「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」「アイデンティティー」等のジェームズ・マンゴールドに、脚本は「すべてはその朝始まった」「コラテラル」のスチュアート・ビーティーという面子なら、見たくなるではないか。








西部劇はまだまだ未開拓で知ったか振りも出来ないけどサ、アメリカ、カナダは9月公開作品に「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」   「No Country for Old Men」 を含めて、3本の西部劇でっせ。う~む、あ、ペネロペ&サルマ姐さんの女傑物もありまっせ…。

オリジナルの邦題「決断の3時10分」の筋は、西部で恐れられた凶悪な強盗団のボスを捕まえた住人たちが彼を護送し、3時10分ユマ発の護送列車に乗せるまでを描いた物語。
強盗の親玉が凄腕の悪らしく…町はいつも危険にさらされ、住民は怯えという中、親玉を捕らえたが、さあ~こいつを生かしたまんま法の裁きを受けさせるためにウマ駅3時10分発の列車に乗せるまでの護送をしなくちゃなんねぇという危険極まりない役目を引き受ける羽目になったダン。★輝く金バッジの保安官じゃない、小さな牧場主であり、普通の夫であり父親が引き受けることになるには…訳があるのサ。







妻子の様子…罵る息子…な、何があったんだいッ。不甲斐ない親父なのか…しっかしなぁ~貧しい暮らしの中で家族を養うには覚悟がいるってことさなぁ。で、当然、親玉をしょっぴかれた子分(言い回しが変ネ;苦笑)は頭を奪還しに来るさ。
さ、さ、どーする!って中で、この物語は展開するのだが、オリジナルの筋書き通りに事が運べば、護送役のダンと強盗の親玉ベン…男2人の気持ちの中にはある思いが生じるのだ。で、もってオリジナルでは、最後の最後、クライマックスでのしかけがあるというのだが、さてリメイクの本作、スチュアート・ビーティーの脚本以前にジェームズ・ゴールドマン等も手を入れた模様。さ、いかがだろう。









ちなみに、ちょいと気になったオリジナルの脚本、監督であるデルマー・デイヴィスだが、「太鼓の響き」「去り行く男」「襲われた幌馬車」「カウボーイ」「最後の接吻」「縛り首の木」「避暑地の出来事」「恋愛専科」「スペンサーの山」「若き日の恋」「湖愁」等を手がけている。実はデルマー・デイヴィズは、スタンフォード大学で土木工学、さらに法律の学位を得ていたが、卒業後には映画会社の技術顧問として就職したことがきっかけとして、間もなく、彼は俳優としての道を歩み始めたのだそうだ。同時に脚本家、作家活動も開始。30年代から40年代にかけてのハリウッドの名作ともいわれる「化石の森」「めぐりあい」(邂逅)「晴れて今宵は」など、数多くの作品の原作、脚本を書いている。あの!ケーリー・グラント主演作、日本未公開作品である「Destination Tokyo」で監督デビューしたんだそうだ。この映画ちょっと気になっていたが未公開…そりゃそうだ、1943年の作…敗戦2年前だものナ。


Destination Tokyo(未公開作)

で、こういった旧作も気になってくるんだが、彼が監督した多くの映画の中でも…西部劇の場合、ちょっと描き方が変わっていた、という。
彼は10代の頃にホピ族とナバホ族のネイティヴ・アメリカンの友等と暮らすことに多くの時間を費やしていたそうな。そこでネイティヴ・アメリカンへの共鳴から、当事の西部劇の中で描かれる…インディアン=悪者、という従来の図式からは離れ、白人を美化しなかった西部劇を描くことに徹していたのだと。








そんな中でも本作のオリジナル「Yuma3:10」は、アンチ・ヒーローの西部劇の最たるものだそうだ。男らしい、ってなんだい…人間の中にある両極端な反応や精神に自らが気づいた時…自分とは相容れない相手の中に、実は自分の姿を見出すことになったなら…こんな生き方はいけねぇ~こんな生き方もあったのか、なんてね。いえ、ネ、見てないデスよ。見たくなったなぁ…旧作、オリジナル。昔映画をこーなったらとことん見たくなってきたゾ。本作は、来年には見られる、ってことかいな。(2007年/製作国アメリカ/アメリカ公開2007年9月/日本公開2008年かな)


▲Trailer


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:James Mangold ジェイムズ・マンゴールド
●Screenwriter:Stuart Beattie スチュアート・ビーティー
●Cast:Christian Bale クリスチャン・ベイル Russell Crowe ラッセル・クロウ Peter Fonda ピーター・フォンダ Vinessa Shaw ヴィネッサ・ショウ Ben Foster ベン・フォスター