■Escape at Dannemora エスケープ・アット・ダンネモラ(原題)GG賞ノミネート | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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●俳優でもあるベン・スティラーの監督作「Escape at Dannemora」が興味深い。ゴールデングローブ賞 テレビドラマ部門 作品賞 (ミニシリーズ・テレビ映画部門)にノミネートされたこのドラマは、2015年にニューヨーク州で実際に起きた脱獄事件を題材にしたTVのミニシリーズ。

 

11月から放送スタートで12月30日で終了する全7話の物語だが、主だった出演者三人が抜きんでていい。
 

 

 

事件が起こったのは2015年6月6日。
凶悪犯罪者ばかりが収監されているという最高警備といわれたニューヨーク州ダンネモラのクリントン刑務所。
脱獄したのは、殺人と拷問で25年の刑を受けて服役していたリチャード・マット49歳と警官殺しで終身刑の判決を受けたデヴィッド・スウェット35歳だった。
彼らの脱獄には協力者がいた。
一人は男性刑務官のジーン・パルマー57歳。彼は刑務所内で他の受刑者たちの不法行為をマット受刑者から聞き出し、同時にマットが描いた絵を貰うことと引き換えに、脱獄に役立つ道具を与えていたという。このマットの絵が巧いんだ、遺された絵はスターからオバマ大統領など数多い。

 

主演女優賞 限定シリーズ/TV映画部門ノミネート 

パトリシア・アークエット

 

 

 

もう一人の協力者が、刑務所内の縫製工場で受刑者の指導をしていたジョイス・ティリー・ミッチェル51歳。
中年女性の焦り、結婚生活の不満、否、彼女は惚れっぽかったのかもしれない。最初の夫との息子を産んだ後に何人かの男と浮気をし、離婚。その後に浮気相手の一人と再婚、それが事件当時の夫。元夫は彼女は浮気性だと語っているようだが、どうも堪え性のない惚れっぽい女だったか。

 

そして本事件。
ジョイス・ティリー・ミッチェルは、ひと回り以上年下のデヴィッド・スウェットと性的関係を持ち、それが刑務所内で噂を呼び、調査・・・しかし、数か月に渡ってマットからモーションをかけられ、その視線にも色めき立ってしまう・・・そして、ある時は冷凍挽肉の中にヤスリ(糸ノコかも?)を忍ばせたり、懐中電灯付きのゴーグルを始めとする脱獄グッズを彼らに提供したという。
さらに脱獄後には車で二人を迎え、バーモントまで移送する手立てもあったという。二人の脱獄は、警備員がいなくなった夜間、刑務所の壁に穴を開けて、壁の裏のパイプをつたって迷路のようなトンネルを抜け、近くの道路上のマンホールへ逃げ出すというもの。
 
1994年に封切られた映画 「Shawshank Redemption(邦題:ショーシャンクの空に)」を思い起こさせるような脱獄計画。このためこの脱獄事件は、メディアから”Shawshank Escape(ショーシャンク・エスケープ)”と呼ばれるようになったそうだ。
 
脱獄用の穴が開けられたパイプには「Have a nice day」というメッセージ
 
さて、脱獄後20日目、6月26日にマットは、刑務所の北西約40キロの森林地帯を逃走中に射殺。現場近くでは、警察犬の追跡を逃れるために撒いたと思われるスウェット受刑者のDNAが付着したコショウ入れが発見されたという。
翌々日の28日、スウェット受刑者は刑務所の北西約45キロ、カナダ国境から2・5キロのコンスターブルの路上を歩いていたところ、警官隊に見つかり走って逃げたため銃撃を受け、胴体に2発命中、拘束。ジョイス同様に現在服役中だ。当時、警察側は、懸賞金もかけ、当初の800人態勢から増員、最終的には1300人態勢で行方を追っていたという。
 
 
 
 
この事件の脱獄犯リチャード・マットにベニシオ・デル・トロ、デヴィッド・スウエットにポール・ダノ、ジョイス・ティリー・ミッチェルにパトリシア・アークエット。
これは半端ない演技力を持った俳優のアンサンブル!
Trailerを見ているだけで現実感溢れるドラマ、しかしながら殺伐とした状況下に垣間見るダークコメディの要素。じんわりと言い寄る手口や言い訳、不可解な言動など滲ませながら人間の奥底に潜む欲望や願望をあらわにしていく魅力的で目が離せないリアリティ・ドラマの模様。因みにパトリシア・アークエットも主演女優賞 限定シリーズ/TV映画部門(Best Performance by an Actress in a Limited Series or a Motion Picture Made for Televisionでノミネート。
監督は、ベン・スティラー。撮影前にデヴィッド・スウェットと刑務所で接触することができたらしく、事前のリサーチも万全の下、感服であります。
 
本作は、最終編を待たずして、ゴールデン・グローブ賞のノミネート、さらに放送映画批評家協会(BFCA)主催、第24回クリティック・チョイス・アワードにもノミネート。これ、日本で見ることはできるのか・・・願掛けるゾ
あ、余談ですが音楽がまた・・・決めてきましたヨ。いかにも・・・いや、その、ね、いかにも~なのです^^
下記
※Trailer、Clip等、アップされている
 
Director: Ben Stiller ベン・スティラー
Writers: Brett Johnson ブレット・ジョンソン 全7話
Michael Tolkin マイケル・トルキン 全7話
Jerry Stahl ジェリー・スタール 2話
 
Cast:出演
Benicio Del Toro ベニシオ・デル・トロ
Patricia Arquette パトリシア・アークエット
Paul Dano ポール・ダノ
Eric Lange エリック・ラング
David Morse デイヴィッド・モース
Bonnie Hunt ボニー・ハント
・・・
 

 

Ben Stiller ベン・スティラー 監督

 

Brett Johnson ブレット・ジョンソン 脚本

 

Michael Tolkin マイケル・トルキン 脚本

 

Jerry Stahl ジェリー・スタール 脚本 2話参加