■東京タワー オカンとボクと、時々、オトン | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

●映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の原作は未読。TVで放映されたとのことだがTVは所有していないので未見。
ただ、映画館でこのポスターを見て惹きつけられた。樹木希林とオダギリジョーの顔をアップしたポスターのアイキャッチ度は高い。
あらかたの筋は、サイトにアップされているので内容はほぼ把握してしまったのが、ちと無念なのだが映画とゆーのは見るまでわからない。



このスチール好きだったがなぁ…こんな場面はないデス。

ただし主要なキャストには確かに惹かれる。嘘つきはほじくってでも暴いちゃうぞと世間に背いた格好だった俳優が時間を経過して、ここで何度目かの花を開いている…それは十分に見るに値する、とゆーと失礼千万だろうがスチール見ただけでう~むと巧さが伝わるのだもの。ここで極めて、更に見る側を錯乱させるような役を演じて欲しい、と切に願ってやまぬ女優樹木希林がいて、その息子であるボクをオダギリ。双方の相性はいかがなものか、大丈夫、だろーと。温もった母子、やりきれない母子の絆、哀しみは終わりなき…人の気持ちを掴む魅力がこの映画にはあるはずだ、と予感するのだが…。
TV等のキャスティングがどうだったのかはファンの意見の分かれるところなのだろうが、見もしないままに田中裕子は良いが昭和・九州の荒んでいく時代景色には似合わない気がしてくる…なんてゆーのは我のみか…。
俳優自体の過去が物語る波乱を重ねれば、樹木演じるオカンの存在感に軍配があがる、という気分は否めないなぁ。



人の一生は一度きり。年齢を重ねていくと余計に残された時間の短さに萎えることが多々あるのだ。
人生、どう転んでも50歩100歩と悟るほどに肝っ玉は据わっていない。一度きりの人生の結末を見せられた時にビビりそーな気配がこの映画にあるから、いかずばなるまい。。。と。

監督松岡錠司の手腕いかに。な~んと我は懐かしき「バタアシ金魚」「きらきら光る」…で止まったままだった。やっぱり行かねば。(2007/製作国日本/公開2007年4月)



▲Trailer


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。


●Directer:松岡錠司
●Screenwriter:松尾スズキ
●Cast:オダギリ ジョー 樹木希林 内田也哉子 小林薫 松たか子 渡辺美佐子 田中祥平 冨浦智嗣 勝地涼 光石研 江本純子 猫背椿 原千佐子 結城美恵子


★泣く泣く…横が、後ろが、前が…泣く…が、こちらは泣くほどの動機がないまま見終わった。これは、ない物ねだりをしたくなる映画。というのは思ったより随分と役者が上手かったからだ。
小林薫にはあんぐり~やっぱり上手いな~。若い頃まで演っちゃうじゃないかい、これは偉い、です。歯茎ピンクなんだもの、カツラだって構やしないデス。
ボクの母親の若き日を内田也哉子が演じるのだが、その体つき、腰から脹脛辺りの雰囲気がなんとも良い(好みかなぁ…)。子を見る目線や九州弁と標準語の入り混じった加減も良い。絵になる人でした。ボクをオダギリジョー。格好、身体全体から滲み出る気配が二人とも良いなぁ。
で、上手いのは分かっているのだが押さえ気味で演じた渡辺美佐子、そして主人公ボクの母親役樹木希林も無論印象深い。

これは監督のOKサインではあるものの、役者が上手かったのでここまで見れたのではないか、という感想。
監督好みなのか、あれもこれも入れたがること、友情出演なのか知らないが目立つ人が出過ぎ、ついでに幼い日のボクや若き日の母が唐突に出てきたりすると、学芸会的な散漫な場面に成り下がり、思いが希薄になり、どんどんと平坦な場面展開になってしまうのではないだろうか。

相米さんなら、こうはならないだろうという監督の大人の視点…実話の全てを飲み込んで咀嚼した上の演出・構成の妙が松岡さんにはないのか。だから勿体無い、というのだ。導入部分…東京タワーの見せ方などのヴィジュアルは、おおっという乗せられたような気分になるのに、後が続かない。センスがあっても、映画は気持ちを揺らし、掴む場面の持って行き方…脚本にも問題あったんだろうか。

で、エンディングに福山…わけのわかなんない歌が続くと興ざめ。こんな歌で足を引っ張られると、困る。何のための映画なのか、何を語っているのか無残な結果になってしまうではないか。ここで、折角の俳優達の演技が台無しになるのを許した監督の罪、デス。にしてもだ、中高生時代のボク役は演技は上手い方なのだから…どうして吹き替えにしなかったのか、解せないなぁ。
※公式サイトの撮影日誌は校正してない、デスか…と自分の事は棚にあげてゆーのだ。(追記:3月14日)