■Youth without Youth | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■Youth without Youth ユース・ウィザウト・ユース(原題)


●宗教学・神話学を含む、ルーマニアの作家ミルチェ・エリアーデの幻想小説「若さなき若さ」(エリアーデ幻想小説全集)を原作とするフランシス・フォード・コッポラの新作、といっても既に昨年のローマ国際映画祭で上映されたものであれば、ご覧になった御仁もおいでかと思う。アメリカでも公開になっているコッポラの新作。で、如何なものであったのか…。

昨今は娘の有力なサポーターとしてその種の映画祭などに姿を現し、なんとなく威圧感を感じさせられていたコッポラ。娘はパスするとして、「Youth without Youth」(ユース・ウィザウト・ユース)は、フランシス・フォード・コッポラ監督の10年ぶりの新作となるわけだが、ティム・ロス主演となれば、逃せない。さらに原作、が気にかかっていたものの素通りした時期があった…(反省デス)
 







物語の時代は、ドイツが優勢を誇った1938年。
主人公は著名な言語学者ドミニク・マティ。彼は言語の源を探る研究に没頭しながらも到達できない中、かつて愛したローラという女性の面影を追う(?わかりません…)孤独な日々を送っている模様。しかしながら、老いた彼に残された己の行方は…。

ある思いを抱き、ルーマニアのブカレストに立つドミニク…その日は復活祭…激しい雷雨の中に歩み出る老学者の手には傘…落雷。気がつけば、病院に収容されている…老いた姿のはずのドミニクに歯が生え、髪が生え始め、落雷時には70代だったはずの彼は若返っていることに驚く。
無論、この不可思議、奇跡的な現象をナチス側が放っておくはずはない。危険を察知し、ナチの追手を逃れ国外逃亡を計った彼がその後に出会うのはかつて愛したローラに生き写しの女性…そして嵐が再びくるのだが…。







主演は、先にあげた「フォー・ルームス」「海の上のピアニスト」「PLANET OF THE APES 猿の惑星」「72時間」「アメリカ,家族のいる風景」、そして「マイ・ブルーベリー・ナイツ」にも顔を見せているのティム・ロス。
主人公の変貌を学術論文として発表するであろう老教授に「ベルリン天使の詩」「ヒトラー~最期の12日間~」等のブルーノ・ガンツ。「ヒトラー~最期の12日間~」、去年のカンヌで花開いた(公私共に!)「コントロール」のルーマニア出身の女優アレクサンドラ・マリア・ララ。ちょいとマット・デイモンも姿を見せている。







映画コムというサイトにあった記事だが、要約すると~
「俳優を夢を見るティーンエイジャーだったロスは、4人の尊敬する映画作家に役をもらえないかと手紙を送ったという。「17歳か18歳の頃、どうやったら映画の役にありつけるか見当もつかなかった僕は、映画監督へ手紙を書くことに決め、(スタンリー・)キューブリック、(マーティン・)スコセッシ、(フランソワ・)トリュフォー、コッポラに送ったんだ。“親愛なるコッポラ様、あなたの映画を心から愛しています。もしイギリス人俳優をお求めなら、あなた好みに演じてみせます”とね」とロス。
数年後、コッポラ監督が企画を進めていたジャック・ケルアック原作の「路上」にロスが配役されたのは、その手紙をコッポラが思い返したおかげだった。「彼が“見せたい物がある”と言って取り出したのは信じられるかい? 僕の手紙だった。想い続けることが全てなんだね」とロスは振り返る。「路上」の企画はあいにく流れたが、コッポラ監督は今度の新作で再びロスを呼んだのだった。」~映画コム http://eiga.com/buzz/show/7911~より抜粋



なかなかいい話。ティム・ロスの俳優を目指した当時の熱も伝わってくる。さて、この作品を手掛ける前にコッポラはジャック・ケルアックの「On The Road(路上)」の映画権を所有し、脚本に取り組んでいたという。しかし、この作品を手掛けることに情熱を失ってしまう、と。結果、ウォルター・サレスが来年を目処に監督(コッポラは製作側)する、という話になっている。サレスの「路上」はそそられる。で、ケルアックの作品の脚本化に情熱を失ったコッポラが、ケルアックの時代を飛び越えて、30年代のルーマニアに行ったというのが面白いではないか。







70代を目前にした巨匠と呼ばれる映画監督が幻想小説にロマンを感じたのか、少し前のリアルな現実ではなく、ファンタジーに意識を重ねて、思い通りの物語を作り上げたのか…。カリフォルニア・ワインで成功した作家が自費を投じて作った新作。己の目の前に繰り広げたファンタジーは如何なものだろう。「ゴッドファザー」シリーズや「地獄の黙示録」の編集を手掛けたウォルター・マーチも加わっている。「若さなき若さ」…見たいやね。(2007年/製作国アメリカ・ドイツ・イタリア・フランス・ルーマニア/アメリカ公開2007年12月/日本公開未定:あるデスね)


▲Trailer


▲Galleryも興味深いデス


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer&Screenwriter:Francis Ford Coppola フランシス・フォード・コッポラ
●Cast:Tim Rothティム・ロス、Alexandra Maria Lara アレクサンドラ・マリア・ララ、Bruno Ganzブルーノ・ガンツ、Marcel Iures マーセル・ユーレス Anamaria Marinca アナマリア・マリンカ Matt Damon マット・デイモン(uncredited)